相続・遺言・信託について
相続
「相続」とは、亡くなられた方が遺された財産を、配偶者や子供、孫などが受け継ぐことを言います。亡くなられた方を被相続人、遺産を受け取る人を相続人と言います。被相続人が亡くなると同時に相続が開始され、相続の手続きは「相続人を確定」し、「遺産の分配」について相続人全員で決めることから始まります。
相続人の確定
誰が相続人になるかは、民法に定められています。そして、被相続人が生まれてから亡くなるまでの戸籍を収集して、民法の規定と照らし合わせることで相続人が決まります。相続することを望まない場合(借金があるなど)は相続人の地位を放棄することもできます。(但、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所に申立てることが必要です)
遺産の分配
遺産の分配は、民法の規定に決められていますが、遺言書がある場合には、遺言書の方が優先されます。(※相続人全員の合意があれば異なる分配方法も可能)。遺言書がない場合には、民法で決められた法定相続分で分配するか、相続人全員で「遺産分割協議」を行い、遺産を分配します。
遺言
大切な財産を、大切な次の世代へ託す手段が遺言です。遺言は、亡くなった方から残された方々(相続人)への最後の意思表示です。ただし、遺言には決められたルールがあり、この方式に沿って書かれていない場合には、せっかくの遺言が無効となってしまいます。遺言には、「自筆証書遺言」「公正証書遺言」の大きく2種類があります。(件数は少ないですが、遺言内容を秘密にする「秘密証書遺言」という形式も存在します。)
颯乃会では、お客様のニーズに沿った遺言書の作成のアドバイス、作成支援等お手伝いを実施しています。また、遺言書の作成とあわせて、遺言を活かすための相続手続のサポートなど、ワンストップでの対応が可能です。
自筆証書遺言
自筆証書遺言は、遺言者がご自身で遺言の内容の全文を書き、日付・氏名を記載し、署名押印があることで成立します。自筆証書遺言は、厳格な記入方式に添った記載が必須になります。
公正証書遺言
公正証書遺言は、遺言者が公証人の面前で遺言の内容を伝え、それに基づいて公証人が遺言者の真意を正確に文章にまとめ、公正証書の形で作成された遺言書です。
自筆証書遺言と公正証書遺言の違い
【自筆証書遺言】 | 【公正証書遺言】 | |
---|---|---|
作成方法 | 本人が作成 いつでも作成可能 | 公証人が遺言者の真意を 正確に文章にまとめて作成 |
費用 | 不要 | 必要 |
法的な問題 | 法的な不備があると 「無効」となる | 法的不備の心配がない |
記入方式 | 方式が厳格で、不備がある と「無効」となる | 方式不備の心配がない |
遺言の検認 ※ | 必要 検認の手続きが必要なので、 遺言の実現が遅れる (法務局の保管制度利用の場合は不要) |
不要 検認の手続は必要ないので、 相続開始後、速やかに遺言が 実現される |
想定されるリスク | 破棄、隠匿、改ざんの リスクがある | 公証役場に原本が保管される ので破棄、隠匿、改ざんの リスクがない |
※遺言書の現状を確認し保全する手続き(家庭裁判所で行う)
信託
信託とは、財産を所有する方が、信頼のおける第三者にその財産を託し、誰のために・どういう目的で財産を管理・承継するかを取り決めて運用する手法です。これにより信託で定めた受取人に対して、財産が適切に承継することが可能になります。
一般的には、将来の認知症への備えや、障がいを持つご家族に対する「親なきあと問題」の対策として活用されます。第三者に財産管理を任せるという点では成年後見制度に似ていますが、積極的な財産の運用や処分が可能になるという点で、成年後見制度とは大きく異なります。成年後見制度と信託のどちらを利用するかは、個々のケースによって判断が異なりますが、颯乃会にご相談していただければ、専門的な知見から、最適なアドバイスをご提案をさせていただきます。